喧嘩凸とはインターネット行う論理と詭弁とレトリックの飛び交う口喧嘩のことです。喧嘩凸をする人々は喧嘩凸者と呼ばれています。
読者の皆さんが理想とする議論というのは例えば、みんなでアイディアを出し合って各アイディアのメリットを活かしつつ、デメリットへの対策を施した全く新しい結論を考案するような建設的な議論だと思うのですが、喧嘩凸はそういったタイプの議論ではなく、一言で言うと競技ディベートをストリートファイトでやっているようなイメージです。
ルールが客観的に定まっておらず、矛盾を認めたら負けとか会場の雰囲気を奪われたら負けなど、各個人が自身の価値観を反映した基準を持っています。自身の得意なフィールドに引き込むところからすでに闘いは始まっているのです。
喧嘩凸の面白い点を挙げてみましょう。
1.論理家タイプの論者は自説の根拠と相手の矛盾点を、一から十まで完全に説明し切る行為に価値を見出している人が多い。文章の議論にありがちな、「初歩的な知識もないあなたに一から教える義務はないざまーす」からの強制終了がほぼありません。
2.口頭なのでスピードが速い。文章の議論のように読み返しながら読解できないし、忘れた内容もこっそり再確認できない。知らない知識もググってごまかせないし、頭に血が上っても文体を工夫して平静を装えない。ランカーの皆さんは頭の回転速度、短期記憶力、メンタルが異常なレベルまで発達しています。
3.レトリックが論理を圧倒することがままある。逆もまた然り。皆さんはレトリックが論理に勝つところなど見たくないと思うかもしれませんが、論理が惨敗するときにどんな理由で負けるのか、そして逆に論理が圧倒したときにはどうやって勝ったのかを観察し、技術を盗む行為は有益だと思います。
4.リスナーはコメント欄から対戦中の論者へ助言を与えることができます。論者はそれを参考にして発言しても良いという暗黙の了解が広く共有されているので、声を出す勇気のない人も援護射撃で参加できます。
5.アンケートで決着をつけるさいに、論理的に話していた側が惨敗することがあり、衆愚政治の恐ろしさを体験できます。
6.不利な立場を選択した人がわずかな糸口を見つけて逆転することがあります。
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